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テクノロジーが後押しする、金融サービスにおける成功への道



かつては企業の強みとなるオプションに過ぎなかったテクノロジーは、今や必須のものとなりました。アジア太平洋地域の金融サービス企業は、次世代技術の採用を進めるにつれ、多くの課題と機会に向き合っています。賢明な決断を下した企業は何年にもわたり繁栄する一方で、つまずいてしまった企業はその後二度と追いつくことができない可能性があります。これらの企業が次に何を行うのかが最も重要となります。

このような状況は昨年、新型コロナウイルスの流行に伴う混乱によって金融サービスのエコシステムの脆弱性が露呈したことで明らかになりました。テクノロジーが命綱となったのです。クラウドやデジタル化に投資していた企業は適応力を発揮しましたが、そうでなかった企業は苦戦を強いられました。感染症の世界的流行には誰もが不意を突かれましたが、さらなる悪影響による混乱が差し迫っています。適切な投資を行う事で金融サービス企業はより強固な備えができ、混乱をチャンスに変えられるでしょう。

「不安定な金融市場、データセットの複雑化、規制変更などの新たな圧力により、多くの企業が従来のテクノロジースタックを見直すようになりました」と、ブロードリッジのアジア太平洋地域最高執行責任者であるデイビッド・イングルソン氏は語ります。「アジア太平洋地域では、驚異的な成長、大規模な投資フロー、より幅広い機能を備えた商品・サービスへの需要の高まりを受け、この傾向が強まっています。企業各社は、拡張性の高いビジネスソリューションを提供する次世代の技術とプラットフォームに投資する必要性に気づき始めています」

The ABCDs of Innovation ®

次世代技術は金融業界を目まぐるしく再形成させています。人工知能 (AI)はデータ駆動型の知見を提供します。ブロックチェーンは、ポートフォリオ管理、セキュリティ、リスク、引受けに新たな可能性をもたらします。クラウドにより、企業は大量のデータを集中管理できるようになります。さらに、デジタル化によって戦略的計画は強化され、ワークフローは加速します。これらが「The ABCDs of Innovation ®」です。

ブロードリッジのNext-Gen Technology Adoption survey(次世代技術の採用に関する調査)によると、世界の金融サービス企業の半数近くが、次世代技術は戦略的変革を推進するために重要であると回答し、38%が事業のパフォーマンスの向上を期待しています[1]。その潜在的な利点にもかかわらず、多くの企業はこれらの次世代技術を採用し始めたばかりです。

「次世代技術は金融機関にとって非常に重要で、現在投資を行っていない金融機関は長期的な成長機会を逃してしまうリスクがあります」とイングルソン氏は語ります。「弊社が行った調査ではこのようなリスクが浮き彫りになり、次世代技術の採用が収益に重大な影響を及ぼすことが分かりました」

調査によると、次世代技術に投資していた企業は、その投資や導入戦略の成熟度を問わず、2020年に大幅なコスト削減、収益増加、利益率改善を実現しました。注目に値するのは、取り組みにおいてかなり先行する企業では4%の増収、着手したばかりの企業でも3%のコスト削減が確認されたことです[2]。

現在の状況

新型コロナウイルスの流行に伴い普及が進み、現在最も広く採用されている次世代技術がクラウドです。コンピューティングとストレージのニーズを迅速に拡張できるため、容量の増大やリモート作業プロトコルに対応し、機敏性や革新性の向上を促します。4分の3以上の企業が導入の中期~先進段階にあります[3]。

クラウドの次に位置する次世代技術がデジタル化です。顧客体験の向上、ワークフローの簡素化、戦略的意思決定を支えるデータインサイトの取得に向け、3分の2の企業がすでにデジタル化を進めています[4]。対照的に、AIへの取り組みがかなり進んでいる企業は全体のわずか4分の1で、ブロックチェーンとなるとわずか15%にすぎません。この分野が開拓すべき次のフロンティアとなるでしょう。

「AIは多くの機会を創出します」とイングルソン氏は語ります。「弊社は現在、シンガポールに拠点を置くTookitakiという専門企業と提携しています。同社が提供するのは、様々な事業部門でサードパーティによる照合を可能にするAIと機械学習技術です。多くの企業がいまだに手作業に頼っているアジア太平洋地域において、これはゲームチェンジャーになります。AIの導入により、運用コストを削減しつつ、照合プロセスを加速することができるのです」

AIは最適化だけでなく、人間の目には見えないトレンドやパターンを見つけ出し、取引や事業戦略を強化し、顧客ニーズに関する知見を深め、リスク管理能力を高めます。このような優位性はいくら強調してもしすぎることはありません。一方でブロックチェーンのメリットは、分散型台帳技術を利用したプラットフォーム上で取引を行う企業の増加に伴い、今後急速に拡大するでしょう。いずれも、セキュリティの強化、透明性の向上、ビジネスプロセスの効率化を必ずもたらしてくれるプラットフォームです。


[1, 2, 3, 4] Broadridge-Next-Gen Technology Adoption Survey   次世代技術の採用に関する調査

50%
世界の金融サービス企業の半数近くが、次世代技術は戦略的変革を推進するために重要であると回答
40%
世界の金融サービス企業の40%近くが、事業のパフォーマンスの向上を期待していると回答
70%
APACにおける企業のおよそ70%が、マシーンラーニングの使用を継続、あるいは今後2年間で開始する予定であると回答



コストの共有と相互のメリット

次世代技術のメリットは明らかですが、多くの場合膨大なコストを伴います。ハードウエアとソフトウエアのための設備投資はほんの手始めにすぎません。企業各社は、新技術を活用するための適切なスキルを備えた人材を確保する必要があります。データに関しては、絶えず変化する複雑な規制にうまく対処しなければなりません。そして、サイバーセキュリティは常に付きまとう懸念材料です。

次世代技術を採用するための最も戦略的で効率的な方法は、「相互利用(mutualization)」であると、多くの企業が認識し始めています。これは、信頼できる独立したサードパーティが提供する業界ソリューションのメリットを参加者間で共有するプロセスです[5]。

「相互利用の長期的なメリットは、お客さま自身が顧客のニーズを先取りできるようになることです」とイングルソン氏は語ります。「同時に、法規制の順守、業務の生産性、適応力、革新性などを大規模に合理化しながら、コスト削減に向けた厳格な収益管理を実現できるのです」

例えば、ポストトレード業務について見てみましょう。銀行は、高度に標準化されたアセットクラスの取引処理に、合計で年間60億~90億ドルを費やしています[6]。これらの機能を相互利用することで、金融業界は年間20億~40億ドルの経費を削減できる可能性があります[7]。

「企業のテクノロジー機能を最新化し、市場のトレンドを活用しつつ、コストを削減し、収益を伸ばす最善の方法は、相互利用を進めることです」とイングルソン氏は続けます。「コロナ禍により、相互利用の重要性はかつてないほど高まっています」


[5] Broadridge-Modernizing through Mutualization   相互利用による最新化

[6, 7] Broadridge-Charting a Path to a Post-Trade Utility   ポストトレード・ユーティリティ化への道筋を描く

成功への道

適切なパートナー選びは、他社に遅れを取らないためにテクノロジーを活用するのか、追い抜くために活用するのかの違いになり得ます。ブロードリッジが実際に違いを生み出せるのは、顧客である金融機関がテクノロジーの最先端を行き、最終顧客にシームレスなエクスペリエンスを提供できるようにすると同時に、能力とリソースを解放して新市場への拡大などの事業成長に専念できるよう支援できるという点です。

「ブロードリッジは常に、顧客ニーズの一歩先を行くような進化に重点を置き、人材、商品、プラットフォームに投資しています」とイングルソン氏は語ります。「その代表的な例が、市場におけるフロント~バックオフィスの統合へのシフトです。お客さまは、投資ライフサイクル全体を通じて使えるエンドツーエンドのツールを求めています。弊社はそのニーズに対応するため投資を行っています」

5月のアイティビティ・ホールディング(Itiviti Holding AB)の買収は、その流れを明示しています[8]。この買収により、ブロードリッジのバックオフィス機能がフロントオフィスまで拡張するとともに、マルチアセットクラスのソリューションが強化されることで、急速に進化する市場へ金融機関が適応するためのより良い支援を実現できます。 また、この買収によってブロードリッジのよりグローバルな事業展開も推進されることになります。


[8] Broadridge